introduction

持続可能な開発目標（SDGs：Sustainable Development Goals）は、環境負荷が大きいといわれるファッション界にとって重要な課題です。

この記事ではSDGsがファッション業界とどのように関わっているか、またファッション業界がサステナブルな業界に生まれ変わるために何が必要かを実例と共に紹介します。

SDGsとファッション業界の関わりを知りたい人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

SDGsの観点から見るファッション業界の問題点

SDGsの観点から見るとファッション業界には問題が多いです。ファッション業界のどのような点がSDGsの観点から問題なのか、一緒に確認しましょう。

アパレル・ファッション業界は環境負荷が大きいとされる

アパレル・ファッション業界は環境負荷が非常に大きいです。

とくに最近はファストファッションが流行し、大量生産・大量消費・大量廃棄がファッション業界では当たり前になっています。

このようなファッション業界の生産・消費活動は環境への負荷が大きいと指摘されており、SDGsの観点からファッション業界を見直す動きが多くの国や地域で見られます。

労働者にかかる負担も大きいといわれている

ファッション業界は労働者にかかる負担も大きいといわれます。

消費者が低価格のものを大量に求めるようになると、行き着く先は原価や生産コストの削減です。

原価や生産コストの削減を実現するためにフアッション業界は、生産者には安く材料を販売させて、労働者には過酷な労働環境での長時間労働を半ば強制してきました。

このように生産者や労働者に負担を押し付ける形での低価格商品の実現は、サステナブルの考え方と正反対であり、適切な人権への配慮ができていません。

よって、ファッション業界のこのような面についてもSDGsの観点から多くの国で見直しが進められています。

ファッション業界がサステナブルになるために必要なこと

ファッション業界がサステナブルな業界に生まれ変わるために必要なことをご紹介します。

環境に配慮した生産から廃棄までの流れを構築

ファッション業界に何より求められていることは、環境に配慮した生産から廃棄までの流れを構築することです。

今のファッション業界は環境へ大きな悪影響を与えていることが問題でした。たとえば以下のようなことは、ファッション業界の環境負荷が大きいといわれる原因です。

これらの活動を最小限にして環境に優しい生産から廃棄までの流れを作ることが、ファッション業界がサステナブルであるために必要なことです。

働く人に配慮した労働環境の整備

洋服を生産する過程で労働者に大きな負担がかかっていることも、ファッション業界の大きな問題点でした。

これを解決するために、適切な価格での材料の購入、安全で衛生的な労働環境の構築、長時間労働や児童労働の撲滅がファッション業界に求められています。

消費者の安価な商品を求める声だけに耳を傾けたり、企業の利益のみを追求する姿勢はサステナブルではありません。

材料生産者や工場労働者の生活や命、人権に配慮した生産体制を整えることも、今のファッション業界が優先して取り組むべき大きな課題です。

エシカルやスローなファッションの啓蒙

ファッション業界が大量生産・大量消費を行ったり、生産者や労働者への過酷な労働を強いたりした原因の一端は、消費者も担っています。

消費者の安く大量に作れとの声が大きくなったため、ファッション業界もその声に答え続けなければならないプレッシャーで、生産者や労働者に負担を強いてきました。

そのため、ファッション業界は消費者に対してもサステナブルな購買活動を啓蒙していかなければなりません。

エシカルやスローなファッションを業界全体で消費者に啓蒙することで、消費者の意識が変わり、企業体制が変わり、やがてサステナブルな生産・消費体制の実現につながります。

消費者もファッション業界が行っていることに目を背けずに、自分たちの意識や行動の結果がファッション業界の改善につながると考えることが大切です。

SDGsを目指したファッションブランドの実例

ファッション業界がサステナブルになるために必要なことを理解した上で、実際に企業がどのような取り組みを通じてこれを実現しているかを確認しましょう。

ユニクロは環境保護のためリサイクルやリユースを積極的に行う

日本の大手ファッションブランドであるユニクロは、環境保護のためにリサイクルやリユースを積極的に行っています。

リサイクルとは使い終わったものを資源に戻し、再度新しい商品を生産することです。たとえばユニクロでは利用済みのペットボトルを利用した洋服作りの取り組みを強化しています。

また、リユースは新しい商品を作ったり購入したりせず、あるものを再度利用する取り組みです。

ユニクロでは時期に合わせた商品値下げをしたり、今シーズンの商品を翌シーズンに持ち越したりすることで、廃棄になる商品が最小限になるような活動をしています。

このようにユニクロは、リサイクルやリユースをすることで環境負荷を抑えてサステナブルな業界への生まれ変わりを牽引しています。

パタゴニアはリペアサービスで長く使える衣服を提供する

大手アウトドアウェアを取り扱うパタゴニアでは、リペアサービスで長く使える衣類を提供することで、サステナブルな業界作りに貢献しています。

リペアも環境保護活動の5Rの1つで、一度購入したものをより長く使うことで新しい生産が不要になり、余分な廃棄物を出さないことにつながります。

企業がリペアサービスを提供していれば、消費者は安心してその企業で商品を購入し長く使い続けられるでしょう。

企業はリペアサービスを提供することで消費者に選んでもらいやすくなり、消費者は安心して商品購入ができるため、リペアサービスは双方にとってメリットの大きいサービスです。

さらに、環境負荷も低減できるため、非常に優れた取り組みの1つとなります。

無印良品はオーガニックコットンの採用や強制・児童労働の禁止を掲げる

無印良品はオーガニックコットンの採用や、強制労働・児童労働の禁止などに取り組む、サステナブルなアパレルブランドの代表格です。

この記事では度々ファッション業界が環境へ高い負荷をかけていると紹介しました。環境負荷が高くなる原因の1つが、材料生産時の農薬使用です。

農薬は土地や人体に悪影響を及ぼすことがあるため、こうした農薬不使用のオーガニックコットンのみを採用することで、無印良品はサステナブルな環境作りを目指しています。

また、強制労働や児童労働も禁止し、人権に配慮した生産体制を整えることでSDGs実現に貢献しています。

SDGs達成に向けて衣服を選ぶ消費者ができる取り組み

ここまでは企業の視点でSDGsについて見てきました。企業だけではなく、消費者にもSDGsに貢献できる取り組みがあります。

SDGsに取り組む企業の商品を選ぶ

消費者がSDGsに取り組む企業の商品を選ぶことは、ファッション業界の変革の中で非常に重要な役割を果たします。

なぜなら企業は消費者の消費活動によって成り立っているからです。

消費者がSDGsな取り組みを行う企業の商品ばかりを購入すれば、企業は利益のために否応なくSDGsな取り組みを行わなければなりません。

SDGs達成に向けた商品が消費者に選んでもらえるものだとわかれば、どのような企業もSDGsに対して前向きに取り組むでしょう。

消費者が企業活動に大きな影響力があることを理解して購買活動を行えば、日々の買い物から社会を変えていくことにつながります。

5Rを意識して必要な服だけを買い大切に長く使う

5Rを意識して必要な服だけを買って、長く大切に使うことで環境や人権保護に貢献できます。

5Rとはリサイクル・リユース・リデュース・リペア・リフューズです。それぞれ、以下のようなSDGs達成に向けた活動につながります。

消費者が企業に多くを求めすぎなければ、企業も余分な生産や過剰なコスト削減に歯止めをかけられるでしょう。

SDGsに取り組む企業の商品を選ぶことと同時に、少しずつ5Rの取り組みを生活に組み込むことでより環境に配慮した活動に貢献できます。

SDGsな服作りを学べるファッションカレッジ桜丘

ファッションカレッジ桜丘もSDGsなファッション業界の取り組みに貢献しています。

具体的にはSDGsな服作りを授業で学び、実際にSDGsなアイドルの衣装制作まで在学中に行っています。

SDGsの取り組みに対してどれほど熱心な授業を繰り返しても、実際にステージ上で着用する衣装をSDGsを意識しながらデザイン、作成した経験には敵いません。

この経験は単純に学生の糧となるだけではなく、就職活動においても目を引く経験になるでしょう。

現場を想定した知識が身に付き、それを実践する場があること、さらに、就職活動まで見据えた最高の環境が用意されていることはファッションカレッジ桜丘の強みです。

最高の環境で実践を通して学び、将来はSDGsも意識したファッション業界人になりたい人は、ぜひファッションカレッジ桜丘を進学先候補としてご検討ください。


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